行動開始
就農への思いは以前からありましたが、実際の行動開始は平成10年11月の農家見学からです。たまたま会社のある先輩が新規就農者を知っているとのことでまずは見学させてもらい、話を伺うことにしたのがきっかけと言えるでしょう。
その後、まずは仕事しながら情報が集められないかと模索を始めました。
就農ガイダンス参加
農業への転身への手段はとにかくひどくおぼろげで、また私の周辺ではそのこと自体理解の得られない夢でした。みっともない話ですが人に悟られないようしていたので、情報収集は遅々として進まず片手間になった感がありました。それに日常の忙しさに任せてしばらく時間が空いてしまいました。
情報収集にインターネットを利用していたとき(会社ではなく自宅でですよ、念のため)、平成11年になって社団法人全国農村青少年教育振興会のホームページを訪れました。そこで目に付いたのが両国公会堂で定期的に行われていた「就農ガイダンス・就農準備校説明会」でした。新規就農の動向、手順支援策、新規参入段階での農業経営事例ならびに新規就農者を含めたパネルディスカッションが行われていました。さらに各地の就農相談窓口と就農準備校の案内が相談会形式で行われていました。しかし、実はここは私の求める有機農業に関する窓口など存在しない場ではありましたが・・・
一般には農業は職業の一つであるはずなのですが、日本における農業事情からの事業性、新規者の開業資金、技術等々の難しさ・・・考えれば考えるほど就業(就農)不可能に思えていました。しかし同時にこれは自らが知らず知らずのうちに作ってしまっていた既成概念の壁の様にも思えてきました。実際のところこれは農業に限らず、会社員いわゆるサラリーマン以外の全て事業主において共通であると思います。いずれにせよ、何も挑戦していないにもかかわらずいつの間にかひたすら難しいと私自身に刷り込まれているのだと自覚するに至りました。さらに、
私の中で農業への思いとその現実のバランスのどちらが勝つかを実体験するしかないという思いに至り、やはりまずは少しでも農作業を体験しようと思いました。特に私は有機農業をしたいという希望がありましたのでそれがどんなものか、私の憧れや夢がどの段階で折れるのか自らためす一歩として就農準備校を受講しようと思いました。
就農準備校窓口の先生にはこの時、受講体系や内容について個別相談し後日送付する申込書をいただいて帰ることになりましたが、基本的には私の考えと合致し「まずは体験してみれば」という姿勢であったのでとても話を伺いやすかった印象があります。段階としてはある程度このような準備校を経て、自分の農業のスタイルがを持った人が各地の就農窓口を訪ねるほうがやはり良いかもしれません。
残念なことはこのガイダンスの講演でも農業の事業性の問題、資金等非常に厳しいということをことさらに強調される内容がほとんどであったということでした。なんのためのガイダンスなのか・・・もちろん厳しいことは現実として認識することは重要ですが、「新規就農ガイダンス」では何とかして就農したいと思っている人たちの道しるべになるような前向きな内容であるべきだと思います。ましてや当時の私のように言われるまでもない壁を先入観として認識し、さらに関連知識が皆無な人たちには、決して門の開かない入り口を紹介されているような印象を受けました。
厳しい農業をしたいという気持ちを試されているという人もいますが、いかにもという感じで私は好ましいとは思いません。本当にその人にとって厳しいかどうかは、門を開いて受け入れて実際に肌で感じさせればよいと思います。感じて初めてその人が判断すればよいと思います。厳しいかどうかなんて人それぞれ。失敗を許さない国の人なので余計に入り口を厳しくする傾向があるのかと思いますが、今でも私は途中で気持ちが折れることがあれば転身しても良いと思っています。逃げ道を持つことも必要なことだと思っています。
このような押し付けのギャップは残念ながらこの後も準備校関連の研修を進めてゆくうちにも遭遇する矛盾なのです。<m>